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火災保険の更新案内が届いても、いつ加入したのか思い出せない。そんな方は、意外と多いのではないでしょうか。
固定費を見直すとき、保険と聞くと、真っ先に生命保険や医療保険を思い浮かべる方は多いと思います。
でも、火災保険は見直しの対象からいちばん抜け落ちやすい固定費です。
理由は単純です。加入のタイミングが住宅購入や賃貸契約の手続きに埋もれて、自分で選んだという感覚が薄いからです。
この話を、専業主婦で私の大親友の「まる乃」に振ってみると、こんな反応でした。

火災保険って、家を買ったときとか引っ越したときに、不動産屋さんに勧められるまま入るやつだよね。見直すものだとは思ってなかった。

それ、すごくよく分かる。しかも2026年10月には、個人向けの火災保険料が引き上げられると報じられているの。更新のタイミングで一度、中身を見直す価値はあるよ。
なぜ火災保険は放置されやすいのか
火災保険は、次の3つの理由で見直しの候補から外れがちです。
- 加入時期を自分で選んだ実感が薄い。 住宅購入や賃貸契約の手続きの一部として、流れで加入することが多い
- 保険期間が長い。 最長5年契約が主流で、5年に一度しか見直す機会自体が来ない
- 保険料の値上がりが緩やかで気づきにくい。 毎月の引き落としで実感するタイプの支出ではなく、まとめて数万円を数年に一度払う形が多い
気づいたときには、何年も見直していなかった、という方は少なくありません。
2026年、火災保険を取り巻く状況
火災保険料は、この数年で何度か動いています。
- 2023年6月:損害保険料率算出機構が、保険料のもとになる「参考純率」を全国平均で13.0%引き上げると届け出ました(一次資料)
- 2024年10月以降:この改定を受けて、各社で保険料の引き上げが行われました
- 2026年10月:大手損保が、個人向けの火災保険料を平均3%引き上げると報じられています(日本経済新聞、2026年5月28日付。2024年10月以来の引き上げとされています)
2026年10月の引き上げは、修理費の上昇などを背景にしたものと報じられています。引き上げ幅や時期は、保険会社や契約内容によって異なります(2026年9月19日時点)。
火災保険料が上がりやすい背景は、主に2つです。
- 近年の自然災害の頻発により、保険会社が支払う保険金が増え続けている
- 資材価格や人件費の上昇で、修繕にかかる費用(建物の再調達価格)が上がっている
これは特定の保険会社だけの事情ではなく、業界全体の流れです。
だからこそ、次の更新でどのくらい上がるのか分からないまま自動更新するのではなく、更新の前に、他社の見積もりと比べておくことに意味があります。
見直す前に確認する5つのポイント
一括見積もりや相談窓口を使う前に、ご自身で確認しておくとスムーズな点を5つ挙げます。
1. 満期はいつか
長期契約が主流のため、満期を忘れている方は多いようです。まずは保険証券か、届いた更新案内を確認してください。
2. 契約期間中に住まいの状態は変わったか
リフォーム、増改築、家財の増減があった場合、必要な補償の額そのものが変わっていることがあります。契約時のままの補償額で更新すると、実態と合わなくなっている可能性があります。
3. 住宅ローンの状況は変わったか
住宅ローンを利用している場合、火災保険への質権設定(金融機関が保険金を受け取る権利を持つ契約)が付いていることがあります。借り換えや完済のタイミングでは、この点も合わせて確認が必要です。
4. 補償の重複はないか
地震保険、家財保険、個人賠償責任特約など、別の保険やクレジットカード付帯保険と補償が重なっていないかを見ます。一般に、重複していても保険金が二重に受け取れるわけではないため、重複分は見直しの候補になります。
5. 途中解約はできるか、戻る保険料はあるか
長期契約の火災保険は、途中で解約すると、残りの期間分の保険料の一部が戻るのが一般的です。ただし、戻る額や手続きは契約内容によって異なります。
「もう契約したから満期まで動けない」と思い込まず、まず保険会社か代理店に確認してみてください。
解約は、新しい契約の開始日を確定させてから行うのが基本です。空白期間ができると、その間は無保険になってしまいます。
【PR】自分で複数社を比較する時間が取りにくい場合は、保険の無料相談窓口を使って、火災保険を含めてまとめて相談する方法もあります。
見直しの際、つまずきやすい点
見直しの際に、つまずきやすい点が2つあります。
1つ目は、保険金額を「時価」ではなく「新価(再調達価額)」で設定できているかを確認していないケースです。
時価とは、建物の老朽化を差し引いた今の価値のこと。新価とは、今と同じ建物を建て直すのにかかる費用のことです。
契約によっては時価ベースの設定になっていて、いざというときに再建費用に届かないことがあります。設定は、保険証券で確認できます。
2つ目は、地震保険は火災保険とセットでなければ加入できないことを知らず、検討の対象からそもそも外してしまっているケースです。
日本は地震が多い国ですが、火災保険だけでは、地震・噴火・津波を原因とする損害は補償されません。更新のタイミングは、この2点を確認するよい機会です。
保険は、金額の大きさだけで判断しない
以前の保険の記事でもお伝えしましたが、保険は解約すると元に戻せないものがあります。
火災保険の場合は、生命保険ほど「入り直せない」リスクは大きくありません。ただ、補償を薄くしすぎて、いざというときに再建・修繕の費用が足りないという、逆方向のリスクがあります。
安さだけを基準に選ぶと、この逆方向のリスクを見落としがちです。

安ければいいってものでもないんだ。

うん。値上げの話を聞くと、つい「とにかく安いところ」を探したくなるんだけど、補償が薄すぎると、いざというときに直せなくなる。今の家に必要な補償はどれくらいかを先に確認してから、金額を比べるのが順番だよ。
今日できる、最初の一歩
最初の一歩は、保険証券か更新案内を出して、満期日と補償の内容を確認することです。
スマホで写真を撮っておくと、見積もりを取るときにそのまま使えます。
更新の案内が届いたときが、いちばん動きやすいタイミングです。目安として、満期の3か月前くらいから、比較サイトなどで見積もりを取ってみることをおすすめします。

うちも今度、更新案内が来たら中身をちゃんと見てみる。

それでいいよ。まずは満期がいつかを確認するところからだから、気負わなくて大丈夫。
固定費の見直しは、通信費や電気代のように毎月動きを感じるものだけではありません。
5年に一度しか来ない機会だからこそ、来たときに逃さないことが大事だと、私は思っています。
では、また^^
参考(一次資料・報道)
火災保険参考純率について|損害保険料率算出機構(2023年6月21日届出・全国平均13.0%引き上げ。2026年9月19日確認。同機構の公表資料上、2023年6月が最新の届出です。各社の実施時期・改定幅は保険会社ごとに異なり、同機構は個社の実施日を公表していません)
損保ジャパン、10月に個人火災保険料3%上げ コスト増で2年ぶり|日本経済新聞(2026年5月28日付。2026年9月19日確認)
この記事を書いた人
ぽよ江(日本FP協会認定AFP)
家計のこよみ



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