自転車で人にぶつかってしまった、マンションで水漏れを起こして下の階を汚してしまった。
こうした「うっかり」で他人にけがをさせたり、物を壊したりしたときの賠償に備えるのが、【個人賠償責任保険】です。
この保険、単独で入ることは少なく、多くの場合は自動車保険や火災保険などの【特約】としてついています。
だからこそ、気づかないうちに、同じ補償を2本も3本も持っていることがあります。
みなさんのお家では、どの保険についているか、すぐに答えられますか?
この話、専業主婦で私の大親友の「まる乃」にもしてみました。

個人賠償って、自転車保険のときに聞いた気がする。でも、うちがどこでつけてるかは全然分からないな。

そういう家、多いと思う。今日は、ダブっていないかを確かめる方法を、3つに分けて見てみよう。
見直す前に確認する3つのポイント
- どの契約に、個人賠償の特約がついているか
- ダブっているとき、保険料がむだになっているか
- 1本にまとめたあと、補償が消える場面がないか
順番に見ていきます。
① どの契約に特約がついているかを洗い出す
日本損害保険協会のガイドラインでは、複数の保険で同じ種類の補償が重なっている状態を【補償重複】と呼んでいます。
そして、補償重複の例として、火災保険と自動車保険のそれぞれに個人賠償責任保険特約がついているケースが挙げられています。
つまり、ダブりが起きやすいのは、ごく普通の組み合わせなんです。
個人賠償の特約がついていることが多いのは、一般的に次のような契約です。
- 自動車保険
- 火災保険
- 傷害保険
- 自転車保険
- クレジットカードに付帯する保険
まずは、家族全員の分の保険証券や契約内容のページを並べて、「個人賠償」「日常生活賠償」といった名前の特約がないかを探してみてください。
特約の名前は保険会社ごとに少しずつ違うので、見つからないときは、契約している保険会社に聞くのがいちばん早いです。

夫の車の保険と、うちの火災保険と、子どもの自転車保険。3つとも確認したことない。

まずは3つ並べるだけで十分。どれに「ついている」かが分かれば、半分は終わってるよ。
② ダブっているとき、保険料はむだになっているか
補償がダブっていても、必ずしも全部がむだとは限りません。
日本損害保険協会のガイドラインでは、補償重複を2つに分けて説明しています。
【完全重複】は、補償の上限が積み上がらないケースです。たとえば、片方の契約の上限が無制限なら、もう一方の契約からは保険金が出ないため、補償につながらない保険料を払っている状態になります。
【不完全重複】は、それぞれの上限額が積み上がるケースです。この場合は保険料のむだ払いにはならないものの、損害額によっては、一方の契約からは保険金が支払われないことがあるとされています。
どちらに当たるかは、契約ごとの上限額と、補償される範囲で変わります。
たとえば、一方は国外での事故も補償して、もう一方は国内だけ、という違いがあることもあります。
上限額と補償範囲をメモして並べると、どれを残すべきかが見えてきます。
③ 1本にまとめたあと、補償が消える場面がないか
ダブりが分かったら、1本にまとめたくなりますよね。
ただ、ここがいちばん注意したいところです。
日本損害保険協会のガイドラインでも、補償を1つにまとめる場合は、将来その契約を解約したときや、別居・結婚などで補償の対象から外れたときに、特約・補償がなくなることに注意するよう示されています。
たとえば、自動車保険の特約に1本化したあとで車を手放すと、自動車保険の解約と一緒に、個人賠償の補償もなくなってしまいます。
子どもが進学で一人暮らしを始めたり、結婚して家を出たりしたときも、補償の対象から外れることがあります。

車を手放すとき、個人賠償のことまでは絶対に考えないな……。

そうなの。だから私は、なるべく長く続きそうな契約に残すのが安心だと思ってる。持ち家の火災保険のように、生活が変わっても続きやすい契約だね。
補償の対象になる家族の範囲も、確認しておきたいところです。
一般的には、本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子が対象になっている契約が多いですが、商品によって違います。証券や約款で確かめてから、どれを外すかを決めてください。
今日やること
さてさて、次の3つだけ、やってみましょう。
- 家族全員の保険で、個人賠償の特約がついている契約を書き出す
- それぞれの上限額(無制限かどうか)と、国外も補償されるかをメモする
- 外す候補があれば、残す契約が解約・別居などで消えやすくないかを確かめてから、保険会社に相談する
保険全体の考え方は、保険は何を残して何を見直すかで整理しています。特約がつきやすい契約そのものの見直しは、火災保険を見直す、更新前に確認する5つのポイントと自動車保険を見直す、乗り換えの判断基準もどうぞ。

今夜、証券を全部テーブルに並べてみる。夫の分もね。

うん、それで十分。個人賠償は「たくさん持つ」より「切らさない」保険だからね。
まる乃の家のテーブルが、証券だらけになる様子が目に浮かびます笑。
では、また^^
参考(一次資料)
補償重複の対応に関するガイドライン|一般社団法人日本損害保険協会(補償重複の定義、火災保険と自動車保険の個人賠償責任保険特約の重複例、完全重複・不完全重複、補償を1つにまとめる場合の注意点。2026年9月26日確認)
自転車損害賠償責任保険等への加入促進について|国土交通省(自転車事故の賠償事例と、保険への加入促進。2026年9月26日確認)
※補償の範囲・上限額・対象となる家族の範囲は、保険商品ごとに違います。契約中の保険会社の証券・約款で最新の内容をご確認ください。特約を外す手続きの前に、契約している保険会社にご相談ください。
この記事を書いた人
ぽよ江(日本FP協会認定AFP)
家計のこよみ



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