冷蔵庫の奥から、賞味期限が半年前の調味料が出てきました。
買ったことすら覚えていません。
しかも同じものが手前にもう1本あって、そちらも使いかけです。
こういうもの、みなさんのお宅にもありませんか??
さてさて、今日は家計の固定費の話です。
なぜ調味料の話から始めたかというと、固定費の見直しでいちばん多いのが、まさにこれと同じことだからです。
払っていることを覚えていない。
同じようなものに二重で払っている。
減らせるのに、気づいていないから減らせない。
固定費を見直そうと思ったとき、多くの方が最初にやるのが「安いプランを探すこと」です。
でも、私はその前にやることがあると思っています。
まず、何にいくら払っているかを全部書き出すことです。
地味です。
盛り上がりません。
でも、ここを飛ばすと必ず失敗します。
理由は単純で、見直す対象が分かっていないのに、比較サイトを見ても選べないからです。
【固定費】とは何を指すのか
【固定費】とは、使っても使わなくても毎月ほぼ同じ額が出ていく支出のことです。
家賃、通信費、保険料、電気やガスの基本料金、サブスクリプションなどが当てはまります。
反対に、食費や日用品のように月によって増えたり減ったりするものは【変動費】と呼びます。
この2つは、減らし方がまったく違います。
【変動費】を減らすのは、毎日の我慢です。
安いスーパーを探す、外食を控える、電気をこまめに消す。
効果は出ますが、気を抜いた月に戻ります。
【固定費】は逆で、一度手続きをすれば、あとは何もしなくても毎月効き続けます。
実際にご相談を受けていて、よく見かける方がいます。
まず【変動費】から手をつけて、途中で挫折してしまう方です。
食費を切り詰めて、外食を我慢して、日用品も安いものを探して。
これ、ダイエットの食事制限とよく似ています。
我慢が続くと、どこかで反動が来ます。
我慢していた分を取り戻すように使ってしまい、見直す前より【変動費】が増えてしまう。
そういう方を、実際に何人も見てきました。
【固定費】を先に、とお伝えしているのは、精神論ではありません。
このリバウンドを避けるためでもあります。
手をつける順番
私が最初に見るのは、次の3つです。
- 生活の質が下がらないもの
- 金額が大きいもの
- 手続きが一度で終わるもの
この順番で見ていきます。
逆に言うと、生活の質が下がって、金額が小さくて、手続きも面倒なものは、最後で構いません。
節約の記事を読んで疲れてしまう原因の多くは、ここが逆になっていることだと私は思います。
この順番には理由があります。
基準は「負担が少ないか」です。
生活の質が下がらないものは、比較して選ぶだけで、我慢はいりません。
ここでまず「できた」という感覚を作ります。
そのあとで金額が大きいものに進むと、多少の手間があっても続けられます。
手続きが面倒なものを最初に置くと、そこで止まってしまう方をよく見てきました。
順番を守るだけで、挫折しにくくなります。
見落とされやすいもの
金額が大きいものは、たいてい皆さん自覚があります。
家賃と保険は、聞かれれば答えられる方がほとんどです。
問題は、自覚がないまま毎月出ていっているものです。
- 使っていない動画配信サービス
- 入ったことを忘れている月額の会員費
- スマホの契約に付いてきた、名前も知らないオプション
- 家族で別々に契約している通信サービス
『そんなの、さすがに気づくでしょう』と思われるかもしれません。
ところが、これが気づかないんです。
理由は、金額が小さいからです。
月500円は、通帳を見ても引っかかりません。
でも12か月で6,000円、5年で30,000円です。
冒頭の調味料と同じで、手前にあるものは見えているのに、奥にあるものは見えていないということが起きています。
実は、私にも心当たりがあります。
今年の春まで、ひかりTVを契約していました。
リビングで、大好きな日本ハムファイターズの試合を見るためです。
そのうち他の部屋でも見たくなって、1契約で3台まで見られるCSに切り替えました。
ここまでは順調だったのですが、問題はそのあとです。
ひかりTVの解約が面倒で、今も契約したままです。
見なくなったサービスに、今日も料金を払い続けています。
頭では分かっていても、手続きが1つあるだけで、人は止まります。
固定費は、気づくことと、手続きすることの間に、もう1つ壁があります。
最初の1時間でやること
具体的な手順です。
- 銀行口座とクレジットカードの明細を、直近3か月分ひらく
- 毎月同じ額が出ているものに、片っ端から印をつける
- 印をつけたものを、金額の大きい順に並べる
- 上から順に「これは今も必要か」だけを考える
4番で「必要か分からない」と思ったものが、あなたの見直し候補です。
安いプランを探すのは、そのあとです。
やってはいけないこと
最後に1つだけ。
保険を、内容を確認しないまま解約しないでください。
固定費の中で保険はたしかに大きいのですが、解約すると元に戻せないものがあります。
健康状態によっては、同じ条件で入り直せません。
金額の大きさだけを見て真っ先に手をつけると、後から困ることがあります。
線引きの基準は、シンプルです。
その保険に、入っている意義があるかどうかです。
日本には、公的保険と高額療養費制度があります。
病気やケガで入院しても、自己負担には上限があります。
ですから、まず見るべきは保険の中身ではなく、ご自身の家計です。
収入と支出を見て、もし入院したら生活が圧迫されるか。
そこが赤字になるなら、その保険には意義があります。
公的保障だけで十分にやっていけるなら、見直しの対象になります。
保険は、お守りでも神様でもありません。
入っているだけで安心する、という感覚で選ぶものではないんです。
実態で判断する。これが、私がいつも最初にお伝えしていることです。
さてさて、私の冷蔵庫の話に戻ります。
賞味期限切れの調味料は、結局その日のうちに全部出しました。
同じものが2本あったのも、これで分かりました。
家計も同じで、まず全部出してみないと、何が二重になっているかは分からないんです。
明細をひらくだけなら、今日できます。
私も今月、自分の明細を見直したら、覚えのない月額が1つ出てきました。
正直に言うと、まだ正体がつかめていません。
これから、何のサービスなのかを調べるところからです。
「見つけた」で終わらないのが、固定費のリアルなところです。
そこから先、問い合わせたり検索したりする一手間が待っています。
それでも、気づかなければこの一手間すら始まりません。
まずは、明細をひらくところからです。
では、また^^
この記事を書いた人
ぽよ江(日本FP協会認定AFP)
家計のこよみ


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