住宅ローンの借り換えは、何を比べて判断するか

固定費の見直し

住宅ローンの金利、契約したときのまま覚えていますか。

一度組んでしまうと、毎月の引き落としだけを見て、中身を見直す機会がほとんど無いんです。

実際のご相談で、いちばん多い質問は「変動金利と固定金利、どちらがいいですか」です。

でも私は、その前に考えることがあると思っています。

住宅ローンを、家賃を払っているのと同じ感覚で捉えている方が少なくありません。

でも、これは全然違います。

賃貸は、借りたものを返せば、そこで支払いは終わりです。

住宅ローンは、家がいらなくなっても、壊れてしまっても、完済するまでずっとついてきます。

金利タイプを選ぶ前に、まずこの違いを理解しておくことが大切だと考えています。

でも、住宅ローンは固定費の中でも、金額のケタが違います。

通信費や電気代の見直しで数千円変わったら十分な成果ですが、
住宅ローンの借り換えがうまくいくと、総返済額で数十万円から数百万円変わることがあります。

それなのに、見直している方は決して多くありません。

理由は分かる気がします。手続きが面倒そうで、しかも複雑に見えるからです。

この話、専業主婦で私の大親友の「まる乃」にもしてみました。

まる乃

うちも住宅ローン組んでるけど、金利がどうとか正直よく分かってないかも。

ぽよ江

それで大丈夫。まずは今の金利と残高を知ることから始めればいいの。

借り換えを検討する前に、まず確認すること

借り換えの中身を見る前に、確認しておきたいことがあります。

それは、今の住宅ローンの残高・金利タイプ・残りの返済期間です。

  • 借入残高(あといくら残っているか)
  • 金利タイプ(固定金利か、変動金利か)
  • 適用されている金利(%)
  • 残りの返済期間(あと何年か)

以前の記事(固定費はどこから見直すか)でも触れましたが、まず見るべきは商品の中身ではなく、ご自身の状況です。

これが分からないまま比較サイトを見ても、自分にとって得なのか損なのか判断できません。

もう一つ、見落とされがちな視点があります。ライフイベントです。

お子さんの進学や独立、転職など、まとまったお金が必要になる時期は、誰にでもやってきます。

このタイミングを考えずに、金利や返済額の数字だけで判断してしまうと、いざお金が必要になったときに、住宅ローンの返済がのしかかってくることがあります。

数字の比較に入る前に、この先どんなタイミングでお金が要りそうかまで、含めて考えることが大切です。

まる乃

うちも子どもの進学、あと数年で控えてるんだよね……。

ぽよ江

それなら、なおさら今のうちに確認しておいた方がいいよ。まとまったお金が要る時期と、返済がぶつかると大変だから。

借り換えが得になりやすい3つの目安

借り換えの効果を考えるとき、私が最初に見るのは次の3つです。

  1. 金利差が0.5〜1%以上あるか
  2. 借入残高が1,000万円以上あるか
  3. 残りの返済期間が10年以上あるか

この3つがそろうほど、借り換えの効果は大きくなります。

逆に言うと、残高が少ない、残りの期間が短い、金利差がわずか、という状態では、諸費用を考えると効果が出にくいことがあります。

理由は単純で、借り換えには諸費用がかかるからです。

保証料、事務手数料、登記費用など、まとまった金額が借り換えのたびに発生します。

この諸費用を上回るだけの利息軽減効果があるかどうかが、判断の分かれ目になります。

見落とされやすいもの

金利差は、比較サイトを見ればすぐに気づきます。

問題は、金利以外に見落とされやすい条件があることです。

  • 諸費用(保証料・事務手数料・登記費用など、数十万円単位になることがある)
  • 団体信用生命保険の保障内容(借り換え先で保障が薄くなる、または手厚くなる場合がある)
  • 借り換え時の健康状態(団信の審査があるため、健康状態によっては借り換えできないことがある)
  • 金利タイプの見直し(変動から固定へ、固定から変動へ切り替える判断も同時に発生する)

『金利が下がるなら、とにかく借り換えた方がいい』と思われるかもしれません。

ところが、団信の審査に通らなければ、そもそも借り換えができません。

健康状態は、年齢を重ねるほど変わっていきます。

「検討しよう」と思ったときが、いちばん条件のよいタイミングであることが多いです。

実際の見直し手順

具体的な手順です。

  1. 今の住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約証書)を用意する
  2. 借入残高・金利タイプ・金利・残りの返済期間を確認する
  3. 住宅ローン比較サービスでシミュレーションする(複数の金融機関をまとめて比較できる)
  4. 提示された諸費用と、想定される利息軽減効果を比べる
  5. 効果が見込めそうであれば、実際に借り換え先の事前審査に申し込む

3番が重要です。 住宅ローンは金融機関ごとに金利・条件が大きく異なるため、一人で全部の金融機関を比較するのは現実的ではありません。

ただし、比較サービスを使うときにも注意点があります。

金利は、社会情勢や経済動向などさまざまな要因で変わります。

私はいつも、シミュレーションの数字は「毎朝テレビやネットで見る星座占いくらいの気持ちで」見てくださいとお伝えしています。

当たっていればラッキー、外れていてもそういうこともある。それくらいの距離感でちょうどいいんです。

シミュレーションの結果だけを見て、その場で契約を決めないでください。

事前審査の段階では分からない条件が、本審査で追加されることがあります。

良い比較サービスは、複数の選択肢を並べて説明してくれます。 その場で契約を急かされることはありません。

やってはいけないこと

最後に、もう一度だけ強調させてください。

団信の審査に通る前に、今の住宅ローンを解約しないでください。

借り換え先の審査に通って、実際に借り換えが完了するまで、今の契約は残しておく必要があります。

健康状態によっては、新しい団信の審査に通らない可能性があります。

新しいローンが確定してから、既存のローンを完済する。この順番を守ってください。

正直に告白すると、私自身は住宅ローンを組んだことがありません。

根っからの飽き性で、何十年も同じ支払いを続けると考えただけで、気が遠くなってしまうタイプだからです。

これまでも、これから先も、住宅ローンのような長期のローンとは無縁だろうと思っています。

ですから、実際に組んでいる方が「見直すのが面倒」と感じるお気持ちは、私にとっては想像でしかありません。

でも、面倒だからこそ、一度きちんと向き合っておく価値があるものだとも思っています。

まる乃

ぽよちゃんが組んだことないの、ちょっと意外。じゃあうちも、まず契約書探すところからやってみる。

ぽよ江

うん、そこからでいいよ。数字を比べるのは、それからでも遅くないから。

まずは、契約書を1か所に集めるところからです。

では、また^^


この記事を書いた人
ぽよ江(日本FP協会認定AFP)
家計のこよみ

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